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    ――本質的なマーケティングを実践するためには?

これからのマーケティングと戦略PR
――本質的なマーケティングを実践するためには?

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2020年02月13日

Webの普及によるメディアの多様化によって広告やPRのあり方が大きく変わるとともに、ビッグデータの解析などが可能になったことでマーケティングも高度化されています。個別に取り組まれることも多いマーケティング、広告、PR、そしてWebを一手に担うことで、本質的なマーケティング活動を実践してきたいと中田さんは話します。

目次

マーケターにとっていまはとても面白い時代

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─ もともと広告業界でキャリアを積まれてきたとか?

そうなんです。広告代理店や企画会社に在籍し、プロデューサーとして飲料メーカーや家電メーカー、映画、音楽などの宣伝を担当してきました。これはこれで刺激的で楽しい仕事だったのですが、キャリアを重ねるにつれて思うようになったのです。魅力的な広告を制作したり展開することはできても、それが具体的にどういう成果をもたらしたのか、消費者のどんな行動につながったのかまで、結果から深く分析して戦略を企てる「本質的なマーケティング」をもっと追求していきたいと。それを実現するためには事業会社に移り、そこでマーケティングを担うのが一番の近道と考え、ウエニ貿易に入社しました。

─ 広告会社でもマーケティングを追求することは可能ですよね?

もちろんです。ただし、扱う商材が自社商品なのか他社商品なのか、ここに決定的な違いがあります。広告会社は後者のため、マーケティングを担うにしても主体にはなれず、全体を理解することが困難です。しかし事業会社は自らが主体となって、ブランディング、広告、PR、販促、商品開発など、さまざまな活動を通じて売れる仕組みづくりを絶えず模索し続けることができます。特に現代はWebの普及によりメディアも多様化していますし、ビッグデータを解析することでマーケティング活動の効果を測定することも可能になっています。お客様が店頭にたどり着き、購買・シェアに至るまでのプロセスを分析していけば、「戦略PR」のブラッシュアップも可能であり、マーケターにとっていまはとても面白い時代にあると実感しています。

売り場を持っていればこそ、現場の声を吸い上げられる

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─ 明確な考えをお持ちのなかで、現在はどのような取り組みを進めているのですか?

マーケティングをメインとしながら、自らの企画立案に基づく広告、PR、販促・営業支援、そしてWeb展開といった、一連のアウトプットに取り組んでいます。なかでも力を入れているのは、売り場の声を集約したデータによる検証です。ウエニ貿易は複数の百貨店に売り場を持っていますので、たとえば広告、PRWebの発信内容や導線を少しずつ変え、問い合わせ先とする店舗を振り分けることで、お客様のニーズを集約できる設計にしてあります。当然、その設計の意図を販売員の方々も理解していますので、彼らにはお客様が何を動機に、どんなニーズを持って来店されたのか、可能な限りヒアリングしていただくようにしています。そして、その結果を営業担当、商品担当とも共有しながら、マーケティング活動に活かすとともに、販促活動や商品企画に反映させています。

─ ちなみに現在の時計市場では、どのようなニーズが生まれていますか?

2014年の北欧ブームでファッションウォッチというカテゴリーが確立され、「シンプル・イズ・ベスト」を体現する時計が定着しましたが、いまはその先にある「シンプル+α」というニーズが高まってきています。基調をなしているのは「シンプル」ということに変わりはないのですが、個性の追求のための「+α」が求められています。では、その「+α」は何かと探っていくなかで見えてきたのが、「語れる時計」ですね。

─ 「語れる時計」ですか?

そうです。PR活動を通じてメディア関係者と交流するなかで導き出された言葉なのですが、各メディアでもこの言葉が共通して使われていますし、ジャーナリストの方々の知見により「機能」というものがクローズアップされています。たとえば、三針の文字盤に月の満ち欠けを示すムーンフェイズ機構が搭載されたものとかですね。ポイントは、日常的に活用することを目的としているのではなく、その機能が備えるロマンが「語れる」要素になっているということ。しかも、そうした機能がシンプルさを損なっていないということ。そんなイメージを持った時計ということで、私たちが担当する『ZEPPELIN(ツェッペリン)』や『SPINNAKER(スピニカー)』などが台頭しはじめています。いずれにしても私がPR活動で心がけているのは、有識者の方々に対して商品情報だけでなく企画意図と店舗で収集したデータや分析結果を明確に示すことであり、「自社都合」の情報は発信しないということです。

誰が見てもわかるストーリーへと組み立て直していく

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─ 冒頭で指摘された「戦略PR」という言葉からは、もっとこう......。

自らトレンドを生み出していくような、ですよね? このあたりはいろいろな意見があるかと思うのですが、少なくとも私自身はきちんとプロファイルをし、店舗でしっかりとデータを取り、裏付けをもったPRをしていきたいと考えています。売れる商品には必ず理由がありますし、時代性や社会性というものを帯びています。当然、自分たちで手がける広告やWebも、ただ製品情報を伝えるのではなく、売り場の声、集めたデータ、導き出された結果などをもとに、時代や社会との接点がどこにあるのかを明確化し、誰が見てもわかるストーリーに組み立て直しています。そしてその結果として、トレンドをつくり出すことができれば理想的です。そのトレンドは「共感」によって生み出されたものですから、そこに普遍的な価値が宿り、売り手と買い手の双方にとって利益となります。

─ 思い描いている理想の姿とは、どういうものですか?

より本質的なマーケティングの追求により、自社の利益を上げること。同時に、時計事業を通じていろいろな感動を呼び起こし、世の中をハッピーにしていくことです。時計というのはオーナーにとって人生の相棒であり、そのときの生き様が投影されます。当然のことながら、私たちにはその価値を守り、高めていく責務と醍醐味があります。そのためにもブランドや商品を誰よりも知る自分たちが情報発信していくことが重要だと、私たちは考えています。だからこそ、広告会社でもないのに自社にグラフィックデザイナーチームを抱え、取り扱うブランドのキービジュアルや販促ビジュアルを自分たちの手で制作しています。これもひとえに、真に価値ある商品というのは値段の高い安いにかかわらず、地道なマーケティング活動によって生み出されるものと信じているからです。

中田 (NAKATA)
2013年キャリア入社 / 時計事業部 スーパーバイザー

広告代理店や企画・制作会社で広告宣伝に携わるなかで、自分たちの成果がどのような消費行動につながっていくのか、その先の世界を追求したいと考えるようになり、事業会社であるウエニ貿易に入社。現在は時計事業部において、メンズブランド、ユニセックスブランドを主に担当するチームのリーダーを務める。

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